法令上の制限 基礎編

農地法のアウトライン

  出題歴とアウトラインをまとめました。問題を解く前に、ご覧下さい。

  農地法は、短期攻略が可能なところです。


条文を検索するには…→ (法令データ提供システム)
・農地法 最終改正:平成13.6.29

・農地法・施行法 最終改正 : 平成9.3.31

・農地法・施行令 最終改正:平成13.2.2

・農地法・施行規則 最終改正:平成13.5.9  

【農地法の出題歴】

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農地・採草放牧地の定義 - - - - - - - - -
3条:権利異動の制限 - - -
   遺産分割・相続 - - - - - - - - - - -
   2項8号不許可 - - - - - - - - - - - - - -
4条:農地の転用の制限 - - - - -
5条:転用の目的の
   権利異動の制限
契約の効力 - - - - - - - - - - - - -
罰則・処分 - - - - - - - - - - - - - -
農地法の目的

第1条 この法律は、農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であると

     認めて、耕作者の農地の取得を促進し、及びその権利を保護し、並びに土地の

     農業上の効率的な利用を図るためその利用関係を調整し、もって耕作者の地位

     の安定と農業生産力の増進とを図ることを目的とする。

【農地法の機能】

 昭和27年7月15日 法律229号として農地法は生まれました。

 この当時は、農地改革の直後であり、地主制度の復活を阻む意味もありましたが、現在では、以下のような面が主体となっています。

自作農主義(地主の排除) →誰が耕作者なのか把握する

投機的目的など適正に耕作しない者の農地の取得の防止 →投機目的の取引排除

農地の無秩序な転用の防止等 → 転用の防止

     (農地は一旦転用されると復元することは困難です)

     (農地は水資源の一つとしても、環境面で重要な働きをしています)

     (農業上の土地利用と農業以外の土地利用との調整)

経営規模を細分化せずに、農地の効率的な利用促進

          ↓ 

     耕作者の地位安定

     生産力の増進(食料を確保) を図る

【農地政策】http://www.kanto.maff.go.jp/seisaku/toshinou/toshinou_s1.html

【全体像】手続の全体像については、以下参照。

http://www.city.iizuka.fukuoka.jp/htdocs2/iizukaweb/noui/nouchi.html

農地・採草放牧地の定義→客観的な土地の現況で判断する
●農地の定義

 耕作の目的に供される土地

現況で判断する

登記簿上の地目とは関係ない

 →土地登記簿の地目が仮に「山林」や「原野」等であっても、現況が農地なら農地。

一時的な休耕地、休閑地も農地とみなす

 →現に耕作されていない農地でも耕作しようと思えばいつでも耕作できるような土地。

土地に「肥培管理」を行って作物を栽培しているか否か

家庭菜園は農地には該当しない

●採草放牧地の定義

 農地以外の土地で、

主として耕作又は養畜の事業のための

採草又は家畜の放牧の目的に供せられる土地

●転用の定義

 「農地を転用する」とは、農地に区画形質の変更を加えて住宅、工場等の施設用地や山林等の用地にするほか、農地の形質等にはなんら変更を加えなくても、資材置き場、駐車場にする場合等、人為的に農地を耕作の目的に供されない状態にすることも含まれます。

農地転用の許可に当たっては、市街地に近接した農地又は生産力の低い農地についてはその事情を考慮し、転用を許可することとされています。

各制度の比較

●概略と許可不要の要件  

条文とその内容 許可が不要になる場合
3条

農地・採草放牧地

権利移転

農家→農家の権利移動

農地→農地

採草放牧地→農地

採草放牧地→採草放牧地

国・都道府県及び収用法による収用・使用の場合
(その取得が収用ではなく売買等によるとき許可必要

(国・都道府県が農地を売却するには許可必要)

(市町村が農地等を取得するのは許可必要)

民事調停法による農事調停により設定・移転

遺産分割の場合・裁判上の離婚の際の財産分与

抵当権設定

包括遺贈

自己所有の農地

転用(地目変更)

採草放牧地は対象外

農地→採草放牧地

農地→他

採草放牧地の転用

(市街地化区域)農業委員会にあらかじめ届け出た場合

国・都道府県及び収用法による場合

農家が2a未満の農地を農作物の育成・養畜のための

農業用施設に供する場合

土地区画整理法の定めるところにより転用する場合

5条

他人所有の農地・採草放牧地

転用目的の権利移動

(地目変更目的の権利移動)

農家→農家以外の権利移動

農地→採草放牧地

農地→他

採草放牧地→他

申請者・譲受人と譲渡人

(市街地化区域)農業委員会にあらかじめ届け出た場合

国・都道府県及び収用法による収用・使用の場合
(その取得が収用ではなく売買等によるとき許可必要

地方公共団体(都道府県を除く)が道路、河川、堤防
、水路・ため池又はその他の施設で土地収用法3条
に掲げるものの敷地に供するためその区域内で権利
を取得する場合許可不要

(採草放牧地→農地 3条の許可 に注意)

●許可権者

*** 権利移動(3条) 転用(4条) 転用目的の権利移動(5条)
原則 農業委員会

(居住地の農地・採の取得)

(農業委員会を経由)

都道府県知事

(農地が4ha以下)

(農地が2ha超のときは

農林水産大臣と協議)

(農業委員会を経由)

都道府県知事

(農地が4ha以下)

(採草放牧地のみ)

(農地が2ha超のときは

農林水産大臣と協議)

(農業委員会を経由)

都道府県知事

(非居住地の農・採の取得)

(都道府県知事を経由)

農林水産大臣

(農地が4ha超)

(都道府県知事を経由)

農林水産大臣

(農地が4ha超)

届出 *** 農業委員会に届出

(市街地化区域)

農業委員会に届出

(市街化区域)

届出都市部では農地を宅地化して優良な宅地供給を増やしたいため。

●無許可の場合

農地法上の許可を受けずに農地の売買契約を締結したとしても、罰則の適用はあるが契約は無効とはならない。→×

*** 権利移動(3条) 転用(4条) 転用目的の権利移動(5条)
契約は 無効 ***** 無効
命令 ***** 工事中止命令

現状回復命令

工事中止命令

現状回復命令

罰則 3年以下の懲役又は

300万円以下の罰金

3年以下の懲役又は

300万円以下の罰金

3年以下の懲役又は

300万円以下の罰金

農地法・第3条の手続→耕作人のchangeの監視

●3条のポイント

権利移動とは、所有権の移転や地上権・永小作権・質権・使用貸借権・賃借権などの設定、移転のことをいいます。

贈与・競売による取得にも許可必要。

抵当権の設定は、許可不要です。

●国土法との関連

 3条許可申請をするものについては、国土法の事前届出(監視区域・注視区域)、事後届出とも、必要ありません。

●農地の賃借

農地または採草放牧地の賃貸借は、登記がなくても、引渡しがあったときは、第3者に対抗できる。

●農地の賃借の解消

農地の賃借関係は法定更新され、解約は両者合意により農業委員会に通知する。

(農地法第20条6項届出)

3条の許可基準

 以下の場合は、3条の許可をすることができない。

(1) 権利を取得しようとする者又はその世帯員が,取得後の農地を耕作や養畜等の事業に供すると認められない場合。また、取得後の農地を耕作や養畜等の事業に必要な農作業に常時従事すると認められない場合。

(2)原則として、農業生産法人以外の法人が農地などを取得しようとする場合。

(3)取得後において、耕作等の事業に供すべき農地等の合計が

都府県では50a未満 北海道では2ha未満

(ただし、知事がこれらの面積の範囲内で別段の定めをして、公示したときはその面積に達しない場合。)

▼北海道の場合 http://www.pref.hokkaido.jp/nousei/ns-ncsei/ryui.html

●居住地の市町村にある農地を売買・貸借(許可)

農地法第3条の許可申請書を提出


農業委員会による審議


農業委員会の許可

居住地外の市町村の農地を売買・貸借

農地法第3条の許可申請書を提出


農業委員会からの意見進達(農業委員会を経由)


都道府県知事の許可(県の審議会で審議後)

農地法・第4条の手続→無秩序な転用・使用目的のchangeの監視
●4条のポイント

○自己所有の農地を、宅地、植林地への転用は、農地法第4条の許可が必要です。

農地→採草放牧地 は「農地の転用」とみなされます

○自己所有の採草放牧地の転用は、4条の許可は不要です。

「農業振興地域」の中の「農用地区域」内の農地は原則として転用できません

○第5条の許可を受ければ第4条の許可は不要です。

○面積要件

同一事業に供するための農地4ha以下・・・都道府県知事の許可

(採草放牧地の面積に係らず、農地が4ha以下)

(農地が2ha超のときは農林水産大臣と協議)

同一事業に供するための農地4ha超える・・・農林水産大臣の許可

(採草放牧地の面積に係らず、農地が4ha超える)

●農地を自分で転用(許可)

農地法第4条の許可申請書の提出


農業委員会からの意見進達(農業委員会を経由)


(県審議会での審議後)

都道府県知事許可 

●市街化区域の農地を自分で転用(届出)

農地法第4条の届出

農業委員会

受理通知書の交付

農地法・第5条の手続→転用目的の所有者のchangeの監視
●5条のポイント

○採草放牧地→農地のための権利移動は、3条許可になります。

○面積要件

同一事業に供するための農地4ha以下・・・都道府県知事の許可

(採草放牧地の面積に係らず、農地が4ha以下)

(農地が2ha超のときは農林水産大臣と協議)

同一事業に供するための農地4ha超える・・・農林水産大臣の許可

(採草放牧地の面積に係らず、農地が4ha超える)

採草放牧地のみの転用の為の権利移動は面積無関係に、都道府県知事

「農業振興地域」の中の「農用地区域」内の農地は原則として転用できません

○土地収用法により、収用または使用される場合は許可不要

  その取得が土地収用法20条に基づく認定を受けて、強制的に収用または使用する(許可不要)ではなく、単に事業用地として売買(任意取得等)によるときは許可必要に

●国土法との関連

 5条許可申請をするものについては、国土法の事前届出(監視区域・注視区域)、事後届出とも、必要です。注意してください。

●農地を非農家が転用(許可)

農地法第5条の許可申請書の提出


農業委員会からの意見進達(農業委員会を経由)


(県審議会での審議後)

都道府県知事の許可 

【例題】

「都道府県知事が農地を取得する場合には、その取得の目的を問わず、農地法の

許可を受ける必要はない」

【正解 :

国・都道府県が農地を取得する場合、その取得の目的を問わず、農地法の許可は不要。

●市街化区域の農地を非農家が転用(届出)

農地法第5条の届出


農業委員会

受理通知書の交付

【例題】

 「市街化区域内において4ha を超える農地を住宅建設のために取得する場合には、

農林水産大臣へ農地法第5条の届出をする必要がある」

【正解 : ×】 

 市街化区域の農地の「転用のための権利移動」では、農業委員会に届出ればよく、

この場合、面積要件はありません。市街化区域でない農地との混同を狙った問題です。

番外知識・農地転用の実際

●農地転用(4条、5条)

市街化区域の農地転用 農業委員会に届出
農用地区域外の農地 都道府県知事(農林水産大臣) に転用許可申請
農用地区域内の農地 農用地区域の除外申請して都道府県知事の許可後、

都道府県知事(農林水産大臣)に転用許可申請

 転用については、上でみてきましたが、実は、農地の転用は簡単ではありません

まず、農地には、市街化区域内農地、市街化調整区域内農地、その他区域内農地がありました。

 市街化区域にある場合は、農業委員会に届出すればいいわけですが、市街化区域にない農地の場合は、二通りに分けられます。

・「農用地区域内の農地」ではない場合・・・転用許可(4条、5条)申請

農地転用の許可に当たっては、市街地に近接した農地又は生産力の低い農地についてはその事情を考慮し、転用を許可することとされています。

・「農用地区域内の農地」の場合・・・除外の申請→転用許可(4条、5条)申請

市街化調整区域とその他区域内の中に、「農業振興地域」があり、さらにその中に「農用地区域」があります。この「農用地区域」の農地の転用は、厄介です。

農業振興地域内の農用地区域にある農地

 「農業振興地域の整備に関する法律」(農振法、昭和44年)によって都道府県知事が指定した「農用地区域内の農地」のことで、農業以外には利用できない農地のことです。この指定を受けて市町村が農用地利用計画を定めています。

 この「農用地区域内の農地」(農振法指定農地とも言います)を農地以外に転用する場合は、その農地を指定から除外することが必要です。それを農用地区域の除外手続(農振除外とも言います)といい、その申請をして許可が下りてから、農地法に基づく「転用許可申請」を行うことになります。

 「農用地区域内の農地」の除外申請が許可されるかどうかは、市町村によって大きく異なります。市町村が定めている農用地利用計画による上に、又、この除外申請自体、年に何回も受け付けてはいないからです。申請から除外の認可までには相当の長期間になります。また、申請したからといって必ずしも、「農用地区域内の農地」の指定が除外されるわけでもありません。

 これは、「農業振興地域の整備に関する法律」で、「農地等の転用の制限」として

第17条  農林水産大臣及び都道府県知事は
農用地区域内にある農地法第2条第1項に規定する農地及び採草放牧地についての
農地法第4条第1項、第5条第1項及び第73条第1項の許可に関する処分を行うに
当たっては
これらの土地が農用地利用計画において指定された用途以外の用途に
供されないようにしなければならない。

とあるからです。

 また、農地法でも、農地の転用は、「農業振興地域の整備に関する法律」の達成に

支障を及ぼす恐れがないと認められるものであることという条件つきで認められています。

 このように、「農用地区域内の農地」の転用については、相当難しい面があることを知っておいてください。

●農地転用(4条・5条)

市街化区域の農地転用 農業委員会に届出
農用地区域外の農地 都道府県知事(農林水産大臣) に転用許可申請
農用地区域内の農地 農用地区域の除外申請して都道府県知事の許可後、

都道府県知事(農林水産大臣)に転用許可申請

【土地政策】再掲載。http://www.kanto.maff.go.jp/seisaku/toshinou/toshinou_s1.html

【農用地への政策】 http://www.kyushu.maff.go.jp/keikaku/shishin.htm

【農用地の除外の手続】 http://xing.mri.co.jp/region/syu/3-3/3-3-5.html

実戦チェック−過去問で力試し

●農地法の過去問Archives
昭和63年平成元年平成2年平成3年平成4年平成5年平成6年平成7年
平成8年平成9年平成10年平成11年平成12年平成13年平成14年平成15年

昭和60年昭和61年昭和62年


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